面接官のひとりごと

就職活動における「面接」の必要性というものについて書きたいと思う。
おそらく、このブログを読まれている学生さんの一部は、いや、多くの人は、
「嘘で塗り固められた受け答えをして何の意味があるの?」
「30分かそこいらの時間で、僕の何がわかるの?」
と思っていることだろう。僕も、学生の頃はそう思っていた。

それらの問いに対して、僕なら、こう答える。

「嘘で塗り固められた受け答えをして何の意味があるの?」

意味はない。

 

「30分とかそこいらの時間で、俺の何がわかるの?」

確かに。そんな短い時間で理解できるほど、人は単純ではない。

 

「じゃあ、面接って必要なくない?」

いや、それは必要だ
少なくとも、僕はそう思っている。

 

まず、断っておきたいのは、面接官も馬鹿ではないので、学生の口から発せられる志望動機や自己PRが本心からのものなのか、そうじゃないのかは、大体わかる。

ただ、本心からじゃなかったとして、「ああ、ダメだな」とも思わない。それはそうだ。20歳そこそこで、やりたいことや将来設計が定まっているなどと思っていない。

それなら何を面接の中で見ているかというと、嘘だろうが何だろうが、面接に際して、しっかりと想定される質問、及びそれに対する返答を考えてきたか否か、というその“姿勢”の部分を見る。内容も重要だが、個人的には、“姿勢”の部分をより重視する。

これは、面接に限らず、すべての「伝える」場面に言えることだと思うが、内容はそこまで重要ではない。内容は、記憶に残らない。つまり、響かない。それよりも、その人の言葉や身体から発せられる“姿勢”、“空気”。記憶に残るのはそういったものだ。

面接って意味があるの? 30分って時間で何がわかるの? とわかったような顔で、伝えることを放棄するのではなく、意味のあるなしはわからないし、短い時間でどこまで伝わるかわからないけれど、それでも、何かを発しようと、伝えようと、もがく姿勢。そこを面接官は見ている。僕は、見ている。

論理的に伝えることができないから。緊張で声が震えちゃうから。ボキャブラリーが乏しいから。そんなことで思い悩むのはやめよう。

伝えるのは“言葉”ではない。悩み、考え、もがく。その”姿勢”だ。

 

小林 慎太郎

投稿者: 小林 慎太郎

1979 年東京都生まれ。立教大学社会学部卒。IT企業にて役員を務めるかたわら、自身の言葉や文字で想いを伝えることに対して苦手意識を持っている人を支援するため、ラブレター代筆、プレゼンテーション指導、スピーチライティングなどをサービスとして提供する<デンシンワークス>(dsworks.jp)を運営。 <著書>『ラブレターを代筆する日々を過ごす「僕」と、依頼をするどこかの「誰か」の話。』(インプレス社)