社会人になったら。

就職を控えた学生さんや、初々しい新入社員の子たちを見ると、いつも思う。
そんなに構えなくていいのに、と。

自分もかつてそうだったからわかるが、彼ら、彼女たちの頭の中には、学生と社会人との間には明確な一線があり、社会人になったらちゃんとしなくちゃならない!という気負いがあるのだろう。

それ自体は悪いことではないし、緊張感を持つことは良いことだと思う。ただ、残念ながら、という表現が適切かはわからないが、学生も社会人も、大して変わりはない。

内定者と話をしていると、「社会人になったら海外旅行に行ったりできないでしょうから、卒業前に旅行に行きます!」という声をよく耳にする。

その場は、調子を合わせるように「そうだね、今のうちに行っといたほうがいいよー」と言うが、実のところ、社会人になっても海外旅行は行ける。これは会社によって差があるだろうが、とりあえず、僕が所属している会社は、行ける。夏休みや冬休みなど、1週間程度休むことはざら。人によっては、2週間くらい休んだりもする。海外旅行は学生の専売特許ではない。

「通勤ラッシュが嫌なんですよねー」という声もよく聞かれるが、今は、フレックス制度を導入している会社も数多くあり、必ずしも、8時や9時に出社をする必要はなかったりする。ちなみに、僕は毎朝10時に出社をしている。ラッシュどころか、2日に1回は座れる。

「社会人になったら遅刻なんて絶対ダメですよね?」という質問も多い。確かに、遅刻はダメだが、毎日のように、誰かしらは遅刻している。社会人だって、深酒をしたり、夜中までテレビを観たり、目覚ましをかけ忘れたりする。

「会社の中で恋愛なんかダメですよね?」
いや、別に。結構いるよ。

要は、社会人にも自由があるし、縛られてはいないし、時に、だらしがないし。

「自由」という観点で言うと、親の庇護下を離れ、また、自由になるお金も多い分、社会人の方が自由かもしれない。少なくとも、僕は、今の方が快適だ。

学生の頃は、「大人になんかなりたいくない!」と青白く喚いていたが、今は「学生になんかなりたくない!」という気分だ。

だから、社会人になることに対して、身体を強張らせる必要はない。
あれ?こんなもんか、と思うはずだ。

そして、こうも思うはず。

あれ?意外と、楽しいかも、と。

 

 

小林 慎太郎

投稿者: 小林 慎太郎

1979 年東京都生まれ。立教大学社会学部卒。IT企業にて会社員として勤めるかたわら、自身の言葉や文字で想いを伝えることに対して苦手意識を持っている人を支援するため、ラブレター代筆、プレゼンテーション指導、スピーチライティングなどをサービスとして提供する<デンシンワークス>(dsworks.jp)を運営。 <著書>『ラブレターを代筆する日々を過ごす「僕」と、依頼をするどこかの「誰か」の話。』(インプレス社)