就活のやり方。10個のしてはいけないこと。

3月に就活が解禁されたということで(実質的に、3月から動き始めた学生さん、企業は稀だとは思うが)、これから就活をはじめる学生さん向けに、アドバイスのようなものをしようと思う。

ラブレター代筆が本業のように思われているかもしれないが、収入の比率にて、本業・副業を決めるのであれば、僕の本業は間違いなく会社員ということになる。人事をはじめとした、総務、経理、法務、いわゆる管理部門を担当しているため、当然のことながら新卒採用にも携わっている。だから、ラブレター代筆屋が何のアドバイス?と一笑に付すことなく、できれば、最後まで読んでもらいたい。

なお、〇〇すべし!といった書き方は、正解がひとつであるかのような尊大さを感じさせるのと、思考の幅を狭めてしまう気がするため、〇〇はするな!という消去法で提示をしたいと思う。


1.新卒での就職先がすべてと思うな!
ひと昔前ならいざ知らず、今時、2,3回の転職など当たり前の時代だ。最初に入った会社で定年まで勤めなくてはならないという法もない。人事の立場からしても、2、3回の転職などなんとも思わない、4,5回だって平気だ。だから、たとえ第一志望の会社に落ちようとも、この世の終わりみたいに落ち込まないでほしい。失望し、命を落とすなんて論外だ。「新卒で入る会社なんて、人類の長い歴史から見たら塵(ちり)ほどの重みもない」という意見くらい、新卒で入る会社はどうでもいい。

2.”コネ”を卑怯だと思うな!
”コネ入社”と聞くと、ネガティブな印象があるかもしれないが、そんなことはない。親や親せきのコネがあるなら、大いに活用すればいい。”コネ”という言葉に抵抗があるなら、”人脈”と置き換えてもいい。社会に出てから、”人脈”を持っているかどうかは重要なことだ。人脈を活用して仕事を取ってきたからといって笑われることなどありえない。新卒だって同じだ。笑う方がどうかしている。

.”ステータス”で会社を選ぶな!
いわゆるマスコミ志望に多いと思われるが、なんかかっこいいから。なんか華やかだから。友達に自慢できるから。そんな理由での会社選びは止めた方がいい。たしかに、入社前、及び入社後1,2年くらいは友達に自慢できるかもしれない。でも、それ以降は何にもならない。いや、合コンで少しもてるくらいの効果はあるだろう。でも、それくらいだ。社会人生活をある程度過ごせば、社名や肩書がたいした意味を持たないことはわかってくる。むしろ、それらを前面に押し出してくる人間は、他になにもないんだな・・・、と軽んじられる。かっこよさで会社を選ぶのは、外見だけで彼氏・彼女を選ぶようなもの。それだけでは長くは続かない。

4.マナー講座には行くな!
就活生向けのマナー講座の類に足を運ぶ必要はまったくない。マナーはとりあえず挨拶ができるくらいであれば上等だ。それ以上のものなど、面接時において求めていない。面接官だって、かつては学生で、マナーなどよくわかっていなかった。そんな自分たちの過去を棚に置いて、近頃の学生はマナーができてないな、と腹を立てるほど、料簡は狭くない。

5.人事を過大評価するな!
「人事」と聞くと、完璧な人間というイメージがあるかもしれないが、そんなことはない。遅刻をすることもあれば、道端で転ぶこともあり、仕事でミスをすることもある。たいしたもんじゃない。たまたま人事という役割を与えられているにすぎない。面接官が人事部の人間だからといって憶するな。すべて見透かされている気がする、と怯むな。大丈夫、何も見えちゃいない。

6.「働きがいのある会社」ランキングを鵜呑みにするな
最近、「働きがいのある会社」ランキングというものが注目されている。「働きがいのある会社」ランキングとは、従業員によるアンケート結果をもとに、働きがいを高める「仕組み」や「環境」がどれだけ整っているかを順位付けしたものだ。ランキング内の会社には、過去パートナーとしてお付き合いがあったり、自身が働いていた会社もあるが、気を付けなくてはならないのは、「働きやすい会社」ではなく「働きがいのある会社」だ。この違いをよく租借し、鵜呑みにしないことを推奨する。

7.リーダーシップ=クラブの主将だと思うな!
面接官をしていると、「主将をしていました」という人にやたら遭遇する。感覚的には、3人に1人は主将だ。きっと、就職課かどこかに、リーダーシップのある人間を企業は好む、と吹き込まれているのだろう。間違いではない。ただ、リーダーシップ=クラブの主将、ではない。リーダーシップとは、物事に前向きに取り組む姿勢、のことだ。マネージャーだろうか、渉外だろうが、自身の仕事に責任感を持ち、能動的に動いていれば、それはすなわちリーダーシップとなる。そのことは覚えておいた方がいい。

8.アドリブでいけると思うな!
「本番に強いタイプだから」とか「あらかじめ考えておいた回答を伝えても意味ないでしょ」との考えから、No Planで面接に臨む学生さんがいる。何を隠そう、昔の僕もそうだった。でも、これはオススメしない。面接官は、少なくとも僕は、本番に強いかとか、流暢に受け答えができるかとか、そういったことは見ていない。見ているのは、事に臨むにあたりしっかりと準備をしてきたか。入念に準備をするくらい、その企業に対して思い入れがあるのか、という点だ。企業は器用な人を求めているのではない。不器用でも何でもいいから、誠実に事にあたる姿勢があるか、そこを見ている。

9.適性検査をなめるな
書類選考を通過すると、適性検査を受検させる企業が多いことと思う。こんなもん、参考程度だろう、と侮らない方がいい。企業側は、長年の蓄積データから、適性検査の結果と入社後のパフォーマンスに一定の相関性があることを知っている。面接では偽ることはできても、適性検査は偽りにくいことも。なめるな。結構、見ているぞ。

10.理念に共感するな!
「志望動機は?」と問われ「御社の理念に共感をしました」という人がよくいる。企業理念というものは、そもそもが多くの人間が共感、というか拒否反応を示しようがないように作られている。世界中の人に笑顔を、とか、世の中に感動を、とかその類だ。よほど性格がねじ曲がっている人間じゃない限り、誰しもが肯定せざるをえない。だから、「理念に共感を」と言ったところで、プラス評価にはならない。「うん、まあ、そうだよね」という感じ。気をつけろ。


小林 慎太郎

投稿者: 小林 慎太郎

1979 年東京都生まれ。立教大学社会学部卒。IT企業にて役員を務めるかたわら、自身の言葉や文字で想いを伝えることに対して苦手意識を持っている人を支援するため、ラブレター代筆、プレゼンテーション指導、スピーチライティングなどをサービスとして提供する<デンシンワークス>(dsworks.jp)を運営。 <著書>『ラブレターを代筆する日々を過ごす「僕」と、依頼をするどこかの「誰か」の話。』(インプレス社)