面接において、”リーダーシップ”を売りにする際、気を付けた方がいいこと

新卒採用において面接官をしていると、学生さんからこのような自己PRをよく耳にします。

「僕の強みはリーダーシップです。積極性や行動力があるのが強みです」と。

そのたびに僕は思います。ああ、惜しいな。もっといい答え方があるのに、と。
なにが惜しいのか?もっといい答え方とは?本日はそのことについて書こうと思います。

まず整理しておきたいのは、リーダーシップを重視する企業はたしかに多いのですが、では、なぜ、リーダーシップを求めるのか?ということについて。本屋のビジネス書コーナーにはリーダーシップに関する書籍が数多く並び、世界中の名だたる経営者たちもリーダーシップの重要性をことあるごとに口にします。

でも、なぜリーダーシップが大事なの?と問われた時に、即答できる人は多くない気がします。「受け身ではダメだから」「積極性が大事」。そのくらいの回答がせいぜいなのではないでしょうか。

これについては、僕の中では絶対的な正解があります。ただ、それは僕が0から思いついた考えではなく、社会派ブロガーとして有名な、ちきりんさんによる以下記事から着想を得たものです。

なんで全員にリーダーシップを求めるの?」

要点としては、

●10人のチームがあるとして、リーダーシップ体験がある人はリーダー1人。他9名はリーダーシップ体験がない人となると、大体の場合、その9名は理屈としては正しいかもしれないけれど、物事を前に進めない発言ばかりになってしまい、本旨に関係のないことにいつまでもこだわる。

●また、ちょっとでもややこしくなると、あからさまに無関心な態度を示す。もしくは、その反対に杓子定規な姿勢を崩さず、「明文化されなければ、一切やるべきではないと思う」と言い出す。

●つまり、「組織を動かして成果を出すことがどれほど大変か」、実体験で学んでいない人がチームにいると、恐ろしく非効率になる。

そのようなことが書かれています。本当にその通りだと思います。
間違って受け止めてほしくないのは、全員がリーダー的な役割を果たさなくちゃいけないのかというと、それは違います。野球で例えると、全員が4番のチームが強いかというと、そうではありません。1番がいて、2番がいて、3番がいて、その上で4番がいる。色々な役割の人がいるからこそ、強固なチームになる。それは企業も同じだと思います。

ただ、全員が4番を経験したことがあるのと、そうでないのとでは、パフォーマンスが違ってくるということです。4番の重圧や大変さを全員が理解していれば、たとえ4番が結果を出せなかったとしても、「4番のくせに何で打たないんだよ!」と後ろ向きな考え方にはなりません。「今日は調子悪いんだな、よし、じゃあ俺が代わりに頑張ろう」と前向きな発想を持つことができます。結果として、チームの士気は上がり、強いチームとなります。

つまり、企業がリーダーシップを重視しているのは、積極性のある人材がほしい、だとか、行動力のある人材がほしい、だとか、そういうことではありません(正確には、それらも大事ではあるものの、最重視している要素ではありません)。

では、なぜか?
それは、リーダーや他者の気持ちを慮り、配慮することができる人間がほしいから。他者がミスをした際に、「ふざけんな!」「なんでできないんだ!」と叱責をするのではなく、「あいつができないなら俺が代わりにやろう!」と前向きに捉え、チーム全体の士気を高める人間がほしいから。僕はそう考えます。

だから、話を冒頭に戻すと、リーダーシップ=積極性なり行動力、に紐づけるのも間違いではないし、プラスではあるのだけれど、それでは勿体ないのです。例えるのなら、切れ味鋭い刀を持っているのに、刀身ではなく、柄の部分でぽかぽかと相手の頭を殴っているようなもの。

そうではなく、「僕の強みはリーダーシップです。自身が部活動において主将を務めており、その際に、他者を巻き込むことの難しさを知るとともに、曖昧さや不完全さにこだわるのではなく、物事を前に進めることを最重視する姿勢を学びました」と答えれば、ずばずばと面接官の心を切ることができます。

是非、参考にしてください。
なお、上記のように答えたものの、面接に落ちました・・・。という苦情は受付けかねますのでご了承ください。

小林 慎太郎

投稿者: 小林 慎太郎

1979 年東京都生まれ。立教大学社会学部卒。IT企業にて役員を務めるかたわら、自身の言葉や文字で想いを伝えることに対して苦手意識を持っている人を支援するため、ラブレター代筆、プレゼンテーション指導、スピーチライティングなどをサービスとして提供する<デンシンワークス>(dsworks.jp)を運営。 <著書>『ラブレターを代筆する日々を過ごす「僕」と、依頼をするどこかの「誰か」の話。』(インプレス社)